水門、鉄管
当社は、水門・鉄管メーカーとして100年を超える歴史があり、ダム用高圧ゲート・大型河川ゲートをはじめとして、ダムや河川に設けられるゲートや水圧鉄管・鋼管を多数納入しています。これらの安全で確実に作動する水門設備の建設技術をもとに、「津波・防災用大型フラップゲート」や「既存設備の効率的な管理手法」、「既存ダムや水圧鉄管のリニューアル(再開発)による機能強化・有効活用」などの新技術の開発をたゆまず続けており、設備の更なる高度化と安全な国土建設への貢献を目指します。
主なサービス・製品
ダム用ゲート
ダム湖に貯められた膨大な水・巨大な水圧を制御する設備です。ダムの主要目的である洪水調整のみならず、河川流量を一定に保つための流量調整や、適切な温度の水を取水する選択取水設備、ダム湖の濁水対策など、さまざまな水の制御を行う各種設備があります。
徳山ダム非常用洪水吐(クレストラジアルゲート)
天ヶ瀬ダム再開発のうち主放流設備
- 主ゲート(ラジアルゲート)
- 幅3.6m×高さ4.9m×半径9.0m
- 2門
- 分岐管
- 呑口φ10.3m-1条/吐口幅3.6m×高さ5.0m-2条
- 全長
- 43m
河川用ゲート
常時は水位を維持し洪水時には速やかに河川水を流下させる河口堰や、河川から取水・分派させる樋門・水門など、河川水を制御する設備です。また河口堰の上下流で船舶の行き来を可能にする閘門や魚類の遡上を助ける魚道ゲート、洪水時に河川水を貯留する遊水地用水門などの各種設備があります。
- 長島水門(横転式ローラゲート)
- 幅14.0m×高14.6m 2門
- 道頓堀川水門
- 左側:制水門(2段ローラゲート)
幅12.5m×高6.8m 1門 - 右側:下流側閘門(サブマージラジアルゲート)
幅9.0m×半径7.1m 1門
- 左側:制水門(2段ローラゲート)
水圧鉄管
高所にある貯水池などから低所の水力発電所まで水を運ぶ水圧鉄管は、発電のため水を一気に落とす必要があるためその内部には高圧が作用します。そのため急斜面に沿って長距離をつなぐ水力発電の重要設備です。
- 小千谷発電所3号水圧鉄管
- 設計水頭:74m
- 延長:78m
- 内径:φ4500~φ3350
- 東横山水力発電所水圧鉄管
- 設計水頭:119m
- 延長:62m×4条
- 内径:φ1500~φ1200
ダムリニューアル工事向け仮締切設備
ダムのリニューアル工事は水位の高いダム運用状態のままで行うので、ダム堤体の削孔時にダム湖水が下流側へ流出しないようにするため堤体上流面に鋼製の仮の蓋となる「仮締切設備」を設置します。当社は、これまで数多くの仮締切設備を施工した経験を有しており、そのノウハウから「浮体式仮締切工法」を開発しました。
- ※「浮体式仮締切工法」は九州地方整備局、(一財)ダム技術センター、鹿島建設、カナデビアの共同特許です。
- 鶴田ダム上流仮締切設備
- 増設放流設備用:内空幅11.0m×奥行4.0m×高38.0m
- 発電取水用:内空幅13.0m×奥行3.7m×高30.5m
- 浮体式仮締切:内空幅11.0m×奥行4.0m×高25.5m
水門運転状態管理・診断システム「診衛門」
通常運用時のデータを自動収集し、ソフトにより統計処理され、信頼性の高い劣化指標を提供することができます。また、不具合時の原因究明にも活用することが可能です。
- 収集データ
- 電流値、設備電圧、開度、ロープゆるみ時間、ロープ張力
- 劣化指標
- 起動電流、運転電流、運転回数、運転時間、起動時間、ロープ曲げ回数、ロープ張力、機械効率、滑車効率
主な納入実績
1975年 | 大阪府安治川水門:国内初のバイザゲート |
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1983年 | 熊本県大鞘樋門中央水門:国内初のオールステンレス製シエルローラゲート |
1986年 | 東北地整 田瀬ダム堤内巡視設備:国内初のダム堤内用昇降設備(人・荷搬送用) |
1987年 | 関西電力(株)出し平ダム排砂設備:三菱重工業(株)とのJVで黒部川上流に設けた世界初の大粒径(φ300mm相当)排砂設備 |
1988年 | 東北地整玉川ダム取水設備:国内初のオールステンレス製の直線多段式ローラゲート |
1989年 | 東北地整鎧畑ダム仮締切設備:国内初のダム改造用仮締切設備 |
1994年 | 関東地整宮ヶ瀬ダム主放流設備:高圧ラジアルゲートでは国内最大の設計水深115.288m |
2004年 | 東北地方整備局 摺上川ダム放流設備:ジェットフローゲートで国内最大口径(φ2,800mm) |
2009年 | 中国地方整備局 尾原ダム洪水調節用放流設備:高圧スライドゲートで国内最大寸法(幅3.4m×高さ4.3m) |
2015年 | 九州地方整備局 鶴田ダム上流仮締切設備工事:国内初の浮体式仮締切設備 |
関連技術
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