Kanadevia Technical Review Vol.86

- 1.大阪・関西万博でのカナデビアの取り組み
- 2.Advanced technologies for Secure & Sustainable Water Supply
- 3.カンボジアにおける高濁度向け浄水システム「Rapid Fiber Filtration System」の実証試験結果と今後の展開
- 4.ゼオライト膜によるバイオガス精製
- 5.Decision Support Platform for Resource Optimization and Sustainable Energy
- 6.Bulky Waste Detection
- 7.リモートケアシステム
- 8.CFD-DEMを用いたサクション基礎周辺地盤の浸透流解析技術
- 9.係留索の小型化を目的としたカタマラン船型ブイの開発と浮魚礁への適用検討
- 10.画像を用いたラッピングプレートの外観検査技術
- 11.キーホールTIGを用いたバッキングレス裏波溶接および積層溶接技術の開発
- 12.Kanadevia DX戦略を基軸とした有明工場における生産性向上の取り組み
- 13.大型ロールフィット用ダイヤフラムシートの製品開発
- 14.出前授業による2025年日本国際博覧会に関する啓発効果
〈特集〉 大学・研究機関との連携

2025年日本国際博覧会(略称:大阪・関西万博)は、大阪市此花区夢洲にて2025年4月13日から10月13日までの184日間開催された。日本政府が主催する登録博であり、世界中から2,900万人をこえる来場者が訪れた。
当社は、ブランドコンセプト「技術の力で、人類と自然の調和に挑む」のもと、循環型社会の実現に向けたソリューションプロバイダーたる企業グループを目指している。そこで、大阪・関西万博では、循環型社会の実現に必要な実証や実機展示、体験展示を通じて、来場者の皆様に新たな価値として、社会全体が変化していくために必要な意識改革・行動変容のきっかけと、その行動が持続し、社会として持続可能となるという願いを込めた展示を提供した。本報では9つの取り組みについて紹介する。
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Australia, the driest inhabited continent, faces mounting pressures on water security due to climate change, with increasing variability, droughts, floods, and extreme weather events challenging both municipal and industrial water users. Membrane-based treatment technologies, particularly desalination and purified recycled water (PRW), are increasingly adopted as climate-independent sources of high-quality water. However, these processes are traditionally associated with high energy demand, creating tension with the water industry’s need to decarbonise in line with national Net Zero commitments. In response to this requirement to reduce the energy consumed in water treatment processes, Osmoflo has been investigating, developing and integrating a range of innovative technologies all designed to reduce the specific energy consumption of the treatment process. Specifically, three recent technologies are described herein, which include (1) a ceramic membrane technology, (2) a unique 3D printed spacer RO (Reverse Osmosis) membrane and (3) a Low Pressure Isobaric Pressure Exchange Energy Recovery Device (LPPX). The energy savings of the 3 innovative technologies are evaluated and compared against traditional membrane treatment processes at an operational brewery wastewater facility in Queensland, Australia.
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東南アジアの地方都市や農村部では、水道インフラの整備が重要課題となっており、高濁度原水や水質変動に対応可能な浄水技術の開発が求められている。そこで当社は、高濁度向け浄水システム「Rapid Fiber Filtration System」を開発し、カンボジアで実証試験を実施した。試験では最大547NTUの非常に濁った原水に対し安定した処理性能を示し、処理水は現地の水質基準を満たした。一方で、原水性状の変化により一時的な処理性能の低下も確認されたが、適切な対策により改善された。今後はシステムの即応性強化、運転管理の高度化、設備の標準化を推進し、コスト低減を図る。これらにより東南アジアにおける安全な水の安定供給と地域の持続的発展に貢献することを目指す。
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- 文責者
- 藤田哲朗
- 共同執筆者
- 藤岡諒

当社では有機化合物中から選択的に水を分離するゼオライト膜を開発し、様々なユーザーに有機溶剤の再生やバイオエタノールの精製を行う膜脱水装置を提供している。この度、ゼオライト膜の新たな適用先としてバイオガスから二酸化炭素(CO2)を分離するバイオガス精製装置を開発し、国外にて実証試験を完遂した。当社のバイオガス精製装置は、CO2を選択的に除去するためメタン排出量が少なく、温室効果ガス(GHG)排出削減に寄与するとともに、高い回収率でバイオメタンを得ることができる。
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#GHG排出削減

Renewable Gas R&D group at Kanadevia Inova AG (KVI) has been developing a software tool (DSP: Decision Support Platform) for conceptual and early design evaluation and optimization of complex, coupled waste management and energy systems. The tool fully integrates process, economic and environmental / social life cycle analyses. This report gives an overview of the tool design and features, with illustrative examples from application cases executed in KVI and Kanadevia Corporation (KVC). The next phase of the development will focus on expanding the simulation libraries, and user interface enhancements for transfer from R&D environment to wider use in engineering, project development and sales.

Kanadevia Inova AG (KVI) has released to the market the new product Bulky Waste Detection. It has been piloted for more than one year in two Swiss plants and KVI is actively advancing commercial discussions across the European and Middle East Waste-to-Energy (WtE) sector and continues to generate promising new opportunities. The Bulky Waste Detection is a flexible computer vision system that can be installed in new plants or as a retrofit. It monitors 24/7 the tipping of waste and warns the crane operator in real time if a bulky item has entered the bunker through a user-friendly interface. The user receives all the information needed to be able to decide and act, i.e. either shredding, removing or releasing the item depending on its potential problematic impact to plant operation.

当社は既にA.I/TEC・遠隔監視・運転支援センター(以下、ROC:Remote monitoring/Operation Center)に接続する遠隔監視・運営支援システムを提供しているが、ROC未接続施設(国内外)の焼却炉で自動燃焼制御システム(ACC)の運転調整や操炉監視および各種自動制御の再調整などの遠隔監視・運転支援を可能とする「リモートケアシステム」を開発し、海外の2焼却施設に導入した。
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CFD-DEMは、数値流体解析(CFD:Computational Fluid Dynamics)と粉粒体の解析手法である離散要素法(DEM:Discrete Element Method)を統合した数値シミュレーション手法である。本稿で紹介する技術は、CFD-DEMの高計算負荷という欠点を低減し、大規模解析を実施可能にする解析モデルである。本技術を構築するため、着床式洋上設備の基礎形式の一種であるサクションバケット基礎の施工を対象とした解析および実験を実施し、同基礎施工時の地盤内浸透流による地盤性状の変化を表現した。
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当社は多様な浮体式構造物を扱っており、その一つに鋼製ブイがある。これは1本の係留索で海上に定点保持されて運用され、供用年数は一般に10年である。この係留索はチェーンやワイヤーケーブルで構成され、供用期間中に交換されること無く、その間に摩耗や腐食にさらされても破断しない設計としている。また、鋼製ブイにおいては、設置海域の水深が深くなるほど係留索は長大になり、その重量に応じた浮力を確保するために浮体も大きくなる。結果的に多くの鋼材が必要となるため、当社では係留索の小型・軽量化を検討してきた。そこで係留索を小型化するために、浮体に生じる流れや波による抗力を低減可能な鋼製ブイとしてカタマラン船型ブイを開発した。カタマラン船は双胴船の一種であり、二つの船胴をデッキで接続した構造で、船首方向からの抗力を低減でき、広いデッキ面を有するといったメリットがある。本報ではカタマラン船型ブイの開発内容の一部と、カタマラン船型ブイを浮魚礁に適用した場合の効果について紹介する。
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- #カタマラン船型ブイ
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#数値解析
#水槽実験
- 文責者
- 古賀祐輝
- 共同執筆者
- 新里英幸、岡本豊、阿瀬明彦、林泰嵩

当社は、シリコンウェーハなどの研磨機に使用されるラッピングプレートを製造している。ラッピングプレートの品質保証の1つである外観検査では、鋳造欠陥を目視で確認している。近年、品質・生産性向上やトレーサビリティの観点から検査工程の自動化が求められている。そこで、フォトメトリックステレオ法を用いて表面の鋳造欠陥を強調した画像を生成し、画像処理による検知手法を開発した。本稿では、鋳造欠陥検知手法と検知結果について述べる。
- キーワード
- #ラッピングプレート
#鋳造欠陥
#フォトメトリックステレオ法

バッキングレス裏波溶接は突合せ継手に対し、裏当て材を用いず、初層で溶接部の裏面側にビード形成した後、残りを積層する溶接法で、完全溶込み溶接が要求される突合せ継手に対して有効な技術である。しかしながら、溶接欠陥を防止するため、溶接中に変化するギャップに応じて入熱と溶接材料の送給量を適正に制御する必要があり、溶接士に高い技能が要求されるため自動化を進めている。本開発では想定される各欠陥を防止する適正な溶接条件の範囲を明らかにし、溶接中の開先変動に対応可能な自動バッキングレス裏波溶接および積層溶接技術を確立した。また、水圧鉄管の製造への適用を目的として実証試験を行い、開発技術により十分な溶接品質と工程削減効果が得られることを示した。
- キーワード
- #バッキングレス裏波溶接
#自動溶接
#TIG
#キーホール溶接
- 文責者
- 阿部洋平
- 共同執筆者
- 藤本貴大、谷和彦、林興平

当社は、製品・サービスの付加価値向上を目的とする事業DX、業務効率化と生産性向上を通じた働き方改革を推進する企業DX、およびこれらを支えるIoTプラットフォームであるDX基盤の3要素を柱とし、「Kanadevia DX戦略」を定義した。本戦略を基軸に、当社有明工場では、原子力機器の製造工程において4M(Man, Machine, Material, Method)分析のフレームワークを適用し、デジタル技術を活用した変革に取り組んでいる。具体的には、作業者・設備・製品・生産方法に関する位置データ、映像データ、生産設備の稼働データ等をIoT基盤で収集・蓄積し、統合的に分析・可視化する。これにより、生産性を客観的に評価し、その継続的改善を図る。本稿では、これらDX推進の効果を報告する。
- キーワード
- #DX(デジタル変革)
#4M(Man, Machine, Material, Method)分析
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#映像データ
#設備データ

ロールフィットは、フィルタープレスでろ過、洗浄、脱水、乾燥のプロセスを1台で完結出来る装置である。他社にない当社独自の技術で、自動車・半導体などで使われる機能性材料(導電性、放熱性などに優れる)やバイオケミカル素材、リサイクル材料等の製造に使用されている。フィルタープレスを用いて機械的脱水をした後に、更に乾燥させて材料を製造する。
この度、材料を大量生産するための大型ロールフィットに用いるダイヤフラムシートを開発したので報告する。
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- #フィルタープレス
#バイオケミカル材料
#低温加熱

当社は2025年日本国際博覧会(略称:大阪・関西万博)の開催に先立ち、内閣官房国際博覧会推進本部事務局が実施したEXPOスクールキャラバン事業において小学生を対象に出前授業を実施した。子ども達はごみ焼却発電施設の遠隔監視施設を遠隔で見学し、未来のごみ処理の姿について予想したことを発表し合った。
本稿では、出前授業後に回収したワークシートの記述に対して計量テキスト分析を行い、出前授業の啓発効果を評価したので報告する。分析の結果、子ども達の約75%に大阪・関西万博のメッセージを伝えることができ、焼却処理の理由である衛生処理とごみ減量化についても合わせて啓発することができたと分かった。
このことから、当社が実施した出前授業は、子ども達が未来社会について考え、将来の行動につなげていく契機になり得ることができた。
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- #2025年日本国際博覧会
#大阪・関西万博
#EXPOスクールキャラバン
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#遠隔見学
#環境啓発
#計量テキスト分析
- 文責者
- 林翔太
- 共同執筆者
- 杉浦陽介、宇志呂将、山下誠一郎
〈特集〉 大学・研究機関との連携
ケミカルループ方式による下水汚泥からの水素製造プロセスの開発

下水汚泥は、下水処理場の年間電力消費量の約1.6倍(約120億kWh)のエネルギーポテンシャルを有する質・量ともに安定したバイオマス資源である。これまで下水汚泥からのエネルギー回収技術として、消化ガス利用、固形燃料化、焼却排熱利用、ガス化(熱分解)等の取り組みが行われてきているものの、2022年度時点における下水汚泥のエネルギーとしての有効利用率は約26%に留まる。中でもガス化は、生成した燃料ガスを発電利用できるほか、将来的には水素や化学品原料への転換が可能であり、地球温暖化係数の高いN2O排出量を削減できるメリットもある。しかしながら従前より、各種バイオマスのガス化ではタール発生が度々問題となっており、技術普及を妨げる大きな要因のひとつになっている。一方、ケミカルループガス化(CLG:Chemical Looping Gasification)技術は、エネルギー回収のみならずCO2回収にも展開可能であり、汚染物質の排出低減という観点において、従来よりも大きな利点を有する技術として注目されている。そこで当社と産総研は、冠ラボにおいて3塔式循環流動ガス化炉を用いたCLGによる下水汚泥からの水素製造プロセスの開発を行った。
- キーワード
- #下水汚泥
#ケミカルループ
#熱分解
#水素
- 文責者
- 奥村諭
CO2からLPガスへの合成技術の開発

我が国で広く利用されている気体燃料は都市ガスと液化石油ガス(Liquified Petroleum ガス:LPガス)である。料理や風呂炊き用、さらには産業用の加熱源として、また輸送車両等にも使われており、一般生活には欠かせない燃料である。これらの燃料は、基本的に炭素原子と水素原子から成る、炭化水素である。例えば都市ガスはメタン(CH4)が、LPガスはプロパン(C3H8)、ブタン(C4H10)が主成分である。我が国のLPガスの需要家数は、都市ガスのそれとほぼ等しい。LPガスは携帯性や可搬性に優れており、地方を中心に全国で幅広く利用されている。自然災害と上手に付き合っていかなければならない我が国において、例えばカセットガスの形態で販売されているLPガスは、大きな災害発生時に速やかに必要となる緊急用燃料として有効である。そのため、今後もLPガスは重要なエネルギー源の一つとしてその役割を担うものと考えられ、カーボンニュートラルの達成目標となっている2050年においてもその需要は堅調に続くと言われている。その一方で、現在は世界が複雑な状況に置かれているとはいえ、化石燃料への依存から脱却する方向へとシフトしつつある。LPガスは基本的に化石燃料の採掘に随伴して得られているため、今後は化石燃料に依らない新しい獲得手段が必要である。このような背景をもとに当社と産総研は、資源循環による低炭素化社会の実現もアシストできるように、CO2からLPガスの合成技術の開発に取り組んでいる。
- キーワード
- #低炭素化
#CO2再利用・再資源化
#合成LPG
- 文責者
- 髙野裕之
資源循環社会に向けた廃棄物処理プロセスの研究開発

2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする脱炭素社会構築の実現のために、廃棄物・資源循環分野においても各種の都市代謝プロセスを大幅に成長させなければならない。当社はこれらの社会課題にチャレンジすべく、2022年4月より京都大学産学共同講座「脱炭素工学研究」を設立し、新規の廃棄物資源化の変換プロセスと、ごみ焼却プロセスにおける高効率CO2回収技術に関する研究開発を推進している。
本稿ではこれまでの研究活動において得られた成果を紹介する。
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- #産学連携
#脱炭素
#廃棄物・資源循環分野
#Waste to X
#高効率CO2回収
- 文責者
- 原田浩希
RFIDタグを活用したリチウムイオン電池検知システムの構築と社会実装に向けた基礎研究

近年、ごみ収集現場や廃棄物処理施設において、リチウムイオン電池(LIBs)を原因とする発火事故が急増している。現行の対策は、センサーを用いた発火後の初期消火技術に依存しており、廃棄物中に混在したLIBsを事前に検知・除去する技術は確立されていない。そこで本研究では、九州大学にて開発中のRFIDタグを用いてLIBsを検知する技術の確立を目的とした。提案手法では、LIBs製品に単方向指向性を有するRFIDタグを貼付し、リーダーライターによって検知を行う。実験により、単方向指向性タグの有効性を確認するとともに、一般環境下での検知が可能であることを示した。さらに、金属に囲まれた空間にタグを設置すると検知性能が向上することを明らかにした。加えて、将来の社会実装を想定し、ごみ収集段階(小型電子機器回収ボックス、パッカー車投入口)における検知性能を評価した。その結果、RFIDタグを貼付することで、LIBsの検知が可能になることを確認した。
- キーワード
- #リチウムイオン電池
#RFIDタグ
#廃棄物
#資源循環
#サーキュラーエコノミー
- 文責者
- 榊原恒治
- 共同執筆者
- (九州大学大学院)相原愛里子、
中山裕文、末廣和樹、金谷晴一、
(一般財団法人九州環境管理協会)島岡隆行
材料シミュレーション技術の開発

当社製品には、社会インフラ・防災設備やプラント機器などの溶接構造物が多い。溶接部の信頼性向上を目的として、マテリアル生産科学専攻 生産科学コース プロセスメタラジー領域の平田弘征教授、山下正太郎准教授と共同研究を行っている。
本稿では、複雑な金属組織変化が生じる二相ステンレス鋼溶接熱影響部を対象とした材料シミュレーションへの取組みを紹介する。
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- #材料シミュレーション
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#溶接熱影響部
- 文責者
- 田中智大
疲労強度向上技術

溶接構造物の疲労強度向上技術であるニードルピーニングを当社の多様な製品に幅広く適用することで、疲労損傷の懸念がない安全・安心な社会インフラ設備の実現を目指している。本稿では、大阪大学との共同研究を通じて、板厚や継手形式に依存せず、ニードルピーニングの疲労強度向上効果を定量的に評価可能な高精度シミュレーション技術の構築に向けた取り組みについて紹介する。
- キーワード
- #疲労試験
#シミュレーション
#疲労強度向上技術
#ニードルピーニング
- 文責者
- 岡田潤
自動裏波溶接技術の開発

裏波溶接は鋼構造物を効率的に製作する手法の一つである。しかしながら、溶接欠陥を防止するには、通常の溶接よりも精密な条件制御が必要となり、自動化の難易度は高い。当社では欠陥のひとつである溶落ちを防止するため、原因となる溶接中のアーク力を接合科学研究所の田中学教授と共同で推定した。2台の高速度カメラを用いて、溶接中の溶融池近傍をステレオ撮影し、溶融池の3D形状を取得した。得られた3D形状から溶融池の凹み量を計測することでアーク力を推定した。
- キーワード
- #裏波溶接
#自動溶接
#溶接現象観察
- 文責者
- 阿部洋平
細胞増殖因子の製造技術開発

細胞増殖因子は、細胞の分裂や増殖に機能するタンパク質であり、近年注目される培養肉の製造に必要な材料である。これらの因子は本来、動物体内に極微量しか存在せず、現在はウシ胎児から抽出した血清や、遺伝子組換えバクテリアを用いた方法により供給されている。
当社およびカナデビアバイオ株式会社では、遺伝子組換え技術を用いず、食品由来原料を用いた安全かつ低コストな細胞増殖因子の製造技術を開発し、細胞増殖因子の製造・販売事業を開始した。さらに、大阪大学生物工学国際交流センターとの共同研究を通じ、技術の高度化と製品化の加速に取り組んでいる。
- キーワード
- #培養肉
#細胞増殖因子
#細胞培養
- 文責者
- 鈴木伸昭

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、水素やアンモニアは再生可能エネルギーの変動を吸収するためのエネルギーキャリアとして、またCO2排出削減においては、回収・貯蔵・利用(CCS/CCU)技術が重要な役割を果たし、大型のインフラ設備(圧力容器)が必要になってくる。これらの設備の実現には、各媒体特有の環境影響を考慮した破壊靭性を含む機械特性に高信頼性を有する材料の採用が、構造健全性の確保において重要な要素となる。一方で、これらの機器の大量導入や長期運用を前提とした場合、材料の経済性および加工性も設計上の重要な要素であり、信頼性・安全性・経済性のバランスを考慮した総合的な評価が求められる。当社は製造者としての立場から、これらの公益性の高い研究課題に取り組む社会連携講座へ参画することにした。包括的な社会課題テーマのもと、従来、自然発生的であった企業と各研究者との共同研究で限界のあった異分野の研究者との連携や、複数の研究者とチーム結成が可能になる。
- 文責者
- 長尾圭一朗
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